ホンダのミドルサイズミニバンとしてすっかり定着したステップワゴン。
ホンダを代表するファミリーカーとして、時代の流れに合わせた進化を遂げ、現在は5代目となったステップワゴンの歴代のモデル・型式を考察を交えてご紹介したいと思います。
初代ステップワゴンRF1・RF2型(1996~2001年)
引用:ホンダ公式サイト
1996年に発売された初代ステップワゴンですが、当時はファミリーカーというジャンルも豊富でオデッセイなどの背の低いタイプのミニバンの人気も根強かった時代でした。
そんな中、車体のコストを下げて発売されたのが初代ステップワゴンでした。
同年代に発売された初代オデッセイRA1・RA2・RA3・RA4・RA5型(1994~1999年)のグレード、エンジンの種類などを見ても当時はオデッセイの方へいかに力を注いでいたのかが分かりますね。
ここで、当時の人気乗用車販売台数ランキング(ソニー損保調べ)をご紹介します。
- 1位カローラ
- 2位マーチ
- 3位クラウン
- 6位オデッセイ
この様なランキングとなっていました。
現在と変わらずトヨタの大衆車、クラウンが上位にきている事は変わりありませんが、ミニバンカテゴリーで上位に唯一食い込んできたのがオデッセイでした。
当時のホンダは、オデッセイに力を注いでいましたが、オライバルが多かったのも事実でしょう。
そんな中、まだ市場に定着していなかったボンネットレイアウトのFF車のミドルサイズミニバンというジャンルにステップワゴンで勝負をかけました。
こちらのランキングではステップワゴンは10位以内にランクインしていませんでしたが、当時のミニバンとしては、他社のエスティマ、ハイエースなど現在ではファミリータイプのミニバンとしては珍しい形状のミニバンも多数ありました。
ステップワゴンが現在のボンネットレイアウトタイプのミニバンの形状のパイオニア的な存在といっても過言ではないでしょう。
では、初代ステップワゴンのスペックについてお話します。
原動機はB20B型2リッター直列4気筒DOHCでFFレイアウトです。
ボンネットレイアウトのFFにする事でシート下への空間を確保し、席を更に下方向へシフトする事が可能になり、より安定性を増す事に成功しました。
そしてFFにする事でプロペラシャフトの膨らみも無くなり床の膨らみも無くフラットな床にする事ができます。
また、タイヤの上に座る形状の車と違い乗り心地の向上も実現しました。
サスペンションも前・ストラット式、後・ダブルウィッシュボーンを用いる事により、商用車ベースの車とは一線を画した乗用車としての乗り心地を実現しました。
当時の売れ筋のミニバンタイプとは違う事から、コストダウンをはかった点もありました。
原動機の種類は1種類のみ、トランスMTはコラム式4速AT限定と、グレードは3タイプ(W・G・N)に限定とシンプルなラインナップとなりました。
そして、今では商用車などで見られる片側スライドドアでした。
コストダウンはしながらも、「こどもといっしょにどこいこう」のキャッチコピーにシーンを選ばない4WDのラインナップを導入してきたところはさすがと言わざるを得ません。
グレードの3タイプのWには、キーレスエントリー、ツートンカラー、15インチアルミホイールなど現在では一般的ではありますが、これらが豪華装備として用いられていました。
これらのコストダウンが功をなして初代ステップワゴンは見事に大成功を収めました。
2代目ステップワゴンRF3/4/5/6/7/8型(2001~2005年)
引用:ホンダ公式サイト
大成功を収めた初代ステップワゴンの2代目となるステップワゴンはどのような進化を遂げたのでしょうか。
初代の「こどもといっしょにどこいこう」のコンセプトはそのままに、デザインは少々丸みを帯びた形状へと変わりながらも、初代の面影を残すデザインでの登場となりました。
見た目では丸みを帯びた以外の変化は見られませんが、内部的な衝突オフセットなどの安全性の向上が全面的に図られ改良されました。
CMでのキャッチコピーは「ことも、あそぶ、ゆめつくる」や「ステップワゴンで何しよう」など多少ぐらつきは見られましたが、コンセプトはブレずに子供を楽しませる親をターゲットに更なる進化を遂げました。
グレードは前期タイプのW・G・Nの3種から、子供を意味するKIDの3種へと変更され、廉価仕様のYも追加されました。
原動機は前期と排気量は変わらずK20型の直列4気筒を搭載していますが2代目はV-tecの搭載となりました。
このエンジンを搭載する事により力強さと低燃費の実現が可能となりました。
2003年6月5日にフルモデルチェンジが行われ、新たに「スパーダ」の登場となりました。
以前までの柔らかいイメージのあったヘッドライトから一新、鋭いラインのキリっとしたヘッドライトへと変更されがらりとイメージを変えました。
黒を基調としたインテリアと、締まった外観により今までのファミリカーぽさに物足りなさを感じていた方には満足できるデザインへと変更したのではないでしょうか。
3代目ステップワゴンRG系(2005~2009年)
引用:カートピックスhttps://221616.com/car-topics/20060610-a18675/
基本的なコンセプトは引き継ぎながらも、走りへの追及を高めた変更点が多くみられました。
空気抵抗を少なくする為に、今までのフォルムから大きく変更した丸みを帯びたデザインへと変更されました。
初代、2代目と面影を残していましたが、大きく変更され全くデザインが変更された事は、賛否がわかれるところでしょうか。
原動機は前期型のK20A型とK24A型に改良を加え更なる燃費の向上を実現しました。
K24型にはCVTを搭載する事により燃費の向上を図っています。
グレードは今までの遊び心あるタイプ名から、硬派なものへと変更され主要モデルはB・G・24Zの3タイプへと変更されました。
発売後に追加グレードも加えられ、2007年11月1日にマイナーチェンジと共に、前期型で定評のあったスパーダも復活しました。
デザイン以外の主な変更点は下記になっています。
・両側スライドドア
・更なる低重心と全高の低減により安定性の向上
・ミリ波レーダーによる追突軽減ブレーキ(CMBS)※1
・インテリジェントハイウェイクルーズコントロール(IHCC)※2
・横滑り防止装置(VSA:Vehicle Stability Assist)※3
※1,2,3はメーカーオプション
2008年㋇6日にホンダのミニバンでは初の国内累計販売台数100万台を突破しました。
オデッセイでも成しえなかった記録を達成した事で、ホンダのミニバンを代表する車がステップワゴンになった事が明確となりました。
4代目ステップワゴンRK1~RK7型(2009~2015年)
引用:カートピックスhttps://221616.com/car-topics/20150519-74627/
コンセプトもデザインも原点回帰したようなイメージの4代目ステップワゴン。
中古車を検討するならこのあたりのモデルが現実的ではないでしょうか。
皆楽(みんなの楽)をキーワードにしたこのモデルは、前期型より多少サイズは大きくなりましたが、ガラスエリアを拡大して解放感が増した室内空間となっています。
原動機は前期型の2.4Lモデルエンジンを廃止して2.0モデルのR20A型のみに変更しました。
また、FFにはCVTを、4WDには5速ATが採用されています。
荷室においては、3列目シートを床下に格納できる「3列目床下格納シート」が採用されています。
跳ね上げ式の採用が一般的の中、ホンダの床下空間の利用技術は優れており、唯一床下への収納を可能にしたのがこのステップワゴンです。
4代目ステップワゴンの搭乗者定員は7~8名となっていますが、多くても4人程しか乗る機会が無く仕事や趣味などで荷室を利用する方にとっては、床下収納シートは重宝する事間違いないでしょう。
その他の新システムの導入は下記になります。
- ECONモード
アクセルを踏み込んだ際の燃料調節を電子制御し、効率の良い領域以上の燃料排出を無くし燃費の向上を図るシステムです。
- コーチング機能
ECO運転の実施を目視できるシステムです。
急加速などをせず、ECO運転を実施する事でECOリングが濃いグリーンへと変化していくシステムです。
- ティーチング機能
運転終了時にエコ運転に応じ、スコア(葉っぱの数)で表示されます。
エコ運転の継続により1st~3stステージへとランクアップするゲームのようなシステムです。
他にもマイナーチェンジ後にはアイドリングストップ機能も採用されており、更に燃費の向上を図っています。
燃費で選ぶならマイナーチェンジ後が狙い目でしょう。
5代目ステップワゴンRP1~RP5型(2015~)
主要モデルはB・G・スパーダとなり、今期モデルでスパーダ限定で初のハイブリッド搭載となりました。
原動機は1.5リッターV-tecターボと、ハイブリッドの2種類のラインナップです。
Honda SENSINGをはじめ、充実した装備で満足度は非常に高くなっています。
ハイブリッド搭載はスパーダ限定となっていますが、原動機と標準装備が相まって高級フルサイズミニバン並みの価格となっています。
従来のガソリンエンジン車を選ぶなら5ナンバーで走りももう分ありませんが、ハイブリッドを選ぶ場合は価格がネックとなるでしょう。
グレードモデルすべて通して標準装備での極端な差は無いので、中古車を選ぶ場合は好みのオプションなどで選んでも、装備に不満は無いでしょう。
また、ハイブリッドのスパーダに関しては、価格はネックにはなりますが、高級志向の装備も充実しているので、価格にふさわしい装備となっています。
ステップワゴンの歴代モデル型式比較!人気モデルは? ~まとめ~
初代では、グレードで必須とも言える装備の有無もありましたが、昨今のステップワゴンではかなり装備が充実しています。
標準装備が充実しているだけに、選定基準としては嗜好性の高いもので選んでいく方向性でも十分満足できるのではないでしょうか。
その反面、価格が高級ミニバンクラスになってしまいがちなので、省けるものを省いて価格を抑えるという選び方でもいいかもしれません。
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